
DeNA人事部と共創した起業家志向学生向けワークショップ
概要
本事例は、株式会社CourseVALUがDeNA人事部の採用課題をヒアリングし、ゼロから企画・設計したオリジナルワークショップです。
会場として早稲田大学 日本橋キャンパスをお借りし、
「起業家マインドを持つ学生」と「新しい挑戦をし続ける企業」との接点づくりを目的に実施しました。
- 実施日:2024年2月26日
- 場所:早稲田大学 日本橋キャンパス(貸し会場として利用)
- 形式:対面ワークショップ(研究紹介 × パネルディスカッション × グループディスカッション)
- 参加者:大学生・大学院生 31名
項目 | 内容 |
|---|---|
テーマ | 「起業家の視点」と「起業家を生む環境」を学ぶワークショップ |
主催・企画 | CourseVALU(DeNAの人事課題ヒアリングをもとに設計) |
協力 | 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA) 人事部 |
対象 | 起業に関心のある大学生・大学院生 |
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協力した企業(DeNA)の事業内容と今回の担当者・採用課題
DeNAは、インターネットとテクノロジーを軸に、
- ゲーム・エンタメ
- スポーツ・ライブ配信
- ヘルスケア
- 社会インフラ・公共領域
など、複数の事業ドメインを展開するテクノロジーカンパニーです。
今回ご一緒したのは、新卒採用を担当する人事部の皆さま。
ヒアリングの中で、次のような本音の課題が共有されました。
- 学生からは「ゲーム会社」というイメージが非常に強い。
- 実際には、事業をゼロからつくる人材が多く、「起業家マインドを持つ会社」である。
- しかし、その姿が学生に伝わりきらず、「起業家志望の学生」となかなか接点を持てない。
本当は学生からこう思われたい
- 「新規事業や事業開発に挑戦し続ける、起業家集団のような会社」
- 「失敗を許容し、若手の挑戦を後押しする“実験の場”を持つ会社」
しかし、学生からは
- 「スマホゲームのイメージが強い」
- 「起業志望の自分とは少し遠い存在かもしれない」
と見られがち。
このギャップを埋めるための**“起業家志向学生との新しい出会い方”**として、本ワークショップを企画しました。
解決策としてこんなワークショップを企画しました。
CourseVALUは、DeNAの採用課題を踏まえて、次のコンセプトでプログラムを設計しました。
「起業家の視点」と「起業家を生む環境」を、
研究と実務家の話を通じて“自分ごと”として考えるワークショップ
設計のポイントは大きく3つです。
- “会社説明会”ではなく“共に考える場”として登場してもらう
- DeNAには「何をしている会社か」ではなく、
**「どういう視点・スタンスで事業をつくっている会社か」**を中心に話していただく構成に。
- DeNAには「何をしている会社か」ではなく、
- 研究(アカデミック)と現場(ビジネス)の両方から学ぶ
- 「失敗のマネジメント」「環境(ピアエフェクト)」といった起業家研究のトピックを、
短い動画とわかりやすい解説で紹介し、その上でDeNA社員や起業家ゲストの実例に落とし込む。
- 「失敗のマネジメント」「環境(ピアエフェクト)」といった起業家研究のトピックを、
- 学生自身が自分の“起業フェーズ”を振り返る仕掛け
- 冒頭と最後に同じ問い(RQ)を投げかけ、
ワークショップ前後で、自分の中の「起業家像」がどう変わったかを言語化してもらう設計に。
- 冒頭と最後に同じ問い(RQ)を投げかけ、
なぜこれで起業家が集まるのか?
起業志向の学生がイベントを選ぶ基準は、
**「その時間が、自分の挑戦やキャリアに直結するかどうか」**です。
そこで本ワークショップでは、以下の工夫をしました。
① 告知の段階から「誰のための場か」を明確に
- 「起業・新規事業に関心のある学生へ」「自分の起業フェーズを見直したい人へ」といったメッセージで告知。
- 「会社説明会」「選考直結イベント」といった文言は前面に出さず、
**“学びの場として魅力的かどうか”**を重視した訴求に。
② 学びの価値を保証する設計
- 「失敗とどう付き合うのか」「どんな環境が挑戦を生むのか」といったテーマは、
どの学生にとっても自分の将来に直結する問いです。 - 研究と実務の両方から学ぶことで、
「来てよかった」「自分の起業にも使える」と思える内容にしました。
③ DeNA社員=“選考官”ではなく“対話相手”
- DeNA側には、「評価する立場」ではなく**“一緒に考える先輩”**として参加していただきました。
- 学生の回答に対して、率直なコメントや自身の経験を交えて話していただき、
「この人たちと一緒に働いてみたい」と感じられるような距離感を大切にしました。
その結果、起業に対して強い関心や行動を持つ学生が自然と集まる構成になりました。
実際にどんな学生が応募してきたのか?(事前アンケート)
事前アンケートから見えてきた参加学生の特徴は、次の通りです。
属性
- 学年
- 大学1〜2年生が多数を占め、
将来のキャリアの「かなり早い段階」から起業や事業づくりに関心を持つ層が中心でした。
- 大学1〜2年生が多数を占め、
- 所属大学
- 早稲田大学をはじめ、首都圏の大学・一部地方大学からも参加があり、
「起業系コミュニティに所属している学生」や「学外活動に積極的な学生」が多い構成でした。
- 早稲田大学をはじめ、首都圏の大学・一部地方大学からも参加があり、
起業フェーズ
- すでに自分のビジネスやプロジェクトを動かしている学生
- 起業準備としてビジコンや長期インターンに参加している学生
- 「いずれ起業したいが、まずは考え方を学びたい」学生
など、「起業を全く考えていない層」ではなく、「何らかの形で起業を意識している学生」がほとんどでした。
参加動機の一例(要約)
- 「現在進めているビジネスの収益性やビジネスモデルを、もっと良くしたいと思ったから」
- 「起業家のリアルな話と、事業会社で働く人の視点を両方聞きたかった」
- 「研究ベースの話だけでなく、現場の視点から起業を学べる場を探していた」
- 「起業志向の学生が集まる場で、同じ温度感の仲間と出会いたかった」

実際に行ったワークショップの中身のタイムライン(ダイジェスト)
プログラムの前半は、次の2つの問いを軸に進行しました。
RQ1:起業家の視点ってなんだろう? どういう行動をしているのか?
RQ2:どんな人・どんな環境にいた人が起業しているか?
タイムライン(抜粋)
時間帯 | セッション | 内容(ダイジェスト) |
|---|---|---|
00:05〜 | 導入・問いの設定 | ワークショップの目的とゴールを共有。「いつか起業したい人」「すでに起業している人」それぞれにとっての“明日からの一歩”を確認。グループごとの自己紹介を行いながら、RQ1・RQ2についてディスカッションし、投票ツールで会場全体の意見を可視化。 |
00:20〜 | 研究紹介 × トーク①「失敗」 | 起業家における「失敗のマネジメント」に関する研究動画を視聴し、その内容を受けてDeNA社員・起業家ゲスト2名とパネルディスカッション。研究上の知見と、実務での失敗・学びの事例を往復しながら、起業家が失敗とどう向き合うのかを掘り下げる。 |
00:45〜 | 研究紹介 × トーク②「環境」 | 「ピアエフェクト(仲間や環境が行動に与える影響)」を扱う動画を素材に、起業する人が多い環境やコミュニティの特徴について議論。DeNAのような環境で働くことが、自分の挑戦へのハードルや意思決定にどう影響するのかを具体例ベースで共有。 |
1:10〜 | 個人リフレクション | 冒頭で立てたRQ1・RQ2に、改めて自分の言葉で回答。ワークショップ前後で、自分の中の“起業家像”や「どんな環境を選びたいか」がどう変化したのかを、オンラインフォームで言語化。 |
この後は、DeNA社員も各テーブルに入り、
学生一人ひとりの起業フェーズや関心テーマをもとに、対話とディスカッションを深める時間へと続きました。
参加後の学生の声
事後アンケート・口頭のフィードバックでは、次のような声が多く見られました(要約)。
- 「“ゲーム会社”のイメージが良い意味で覆された。 事業の幅と、挑戦を歓迎する文化を知ることができた。」
- 「研究の話とDeNA・起業家のリアルな経験を両方聞けたことで、失敗への向き合い方が具体的になった。」
- 「DeNAの方々が“選考官”というより、本当に一緒に考えてくれる先輩という感じで話してくれたのが印象的だった。」
- 「“起業するか・しないか”ではなく、起業家マインドを持って働ける環境でのキャリアを考えたくなった。」
企業人事の皆さまへ —— ぜひお問い合わせください。
- 「起業家マインドを持つ学生と出会いたいが、母集団形成に課題がある」
- 「学生からのイメージ(“〇〇の会社”)と、本当の姿のギャップに悩んでいる」
- 「単なる会社説明会ではなく、学びを通じてファンになってもらえる場をつくりたい」
そんなお悩みをお持ちでしたら、CourseVALUが
- 貴社の人事・採用課題のヒアリング
- 大学やキャンパスを活用した共創型ワークショップの企画・運営
- 事前・事後アンケートを通じた学生ニーズの可視化・レポート
まで一気通貫でご支援いたします。
「DeNAとの共創事例を見た」と添えていただけるとスムーズです。
貴社のターゲット学生像や採用戦略に合わせた、オリジナルプログラム案をご提案します。