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事例紹介小売・サービス業
株式会社良品計画:店舗構想設計体験ワークショップ
POP UP CAMPUS 2024 事例
株式会社良品計画:店舗構想設計体験ワークショップ
🏪 小売・サービス業
公開日:

1. つくったワークショップの内容

無印良品の社員が担う役割が、単なる販売員ではなく店舗運営を通じ地域課題解決していることを深く理解してもらうことを目指しました。

【店舗構想設計ワークショップ】

本ワークショップは、学生が持つ無印良品のイメージを拡張し、同社の事業の深さを体感させる二段階の構成で実施されました。

  • 商品ランキング(アイスブレイク):学生にとって身近な「人気商品ランキング予想」を行い 、身近な商品から事業への関心を引き出しました。

  • 事業内容予想:続いて「無印良品 ○○をあげてみよう!」という連想ワークです 。このワークでは、ホテルやカフェなど、多岐にわたる事業領域をリストアップさせ、「無印良品=雑貨・衣料の店」という従来のイメージを、社会インフラを担う「生活の基本を支える企業」へと大きく広げました 。

  • 紙粘土で店舗設計(メインワーク):長野県安曇野市 を想定地域とし「紙粘土で理想の店舗を設計」するという実践的な店舗構想考案ワーク。地域情報(子育て世代の多さ、北アルプスの湧き水など)がインプットとして与えられ 、学生たちはその地域特性を最大限に活かすための店舗レイアウトを考案し、実際に紙粘土を使って立体的なモデルとして表現しました 。

このワークを通じて、地域の課題や発展のために、どのような商品をどうレイアウトするのか、店舗運営の本質的な役割と裁量権を深く感じてもらうことができました。

2. 受講した学生の声

アンケートからは、商品イメージから働くイメージへと変化し、興味関心のきっかけとなった様子が伺えます。

「無印良品はよく見かけるおしゃれな雑貨屋さんだと思っていました。でも、地域を活かしたり、高齢者や子育て世代のニーズを店舗設計に反映させることの楽しさややりがいを感じることが出来ました(大学1年生 / 国際教養学部)

「ワークを通じて、入社後に若手でも商品の陳列やコンセプト作りといった裁量の大きな仕事を任せてもらえるということが知れて店舗勤務のイメージが大きく変わりました。働くイメージが湧きました。」(大学3年生/商学部)

「紙粘土で表現をするのが楽しかったです。同じ地域の条件でも、考える人によって色んなアイデアがでて、ただ物を作って売るのではないとしることができ、関心が湧きました。」(大学2年生 / 経済学部)

3. 良品計画の実現したかったこと

新卒の多くは、お客様の声を直接聞く店舗配属となります。店舗勤務が「商品の陳列やレジ業務が中心」といったマイナスなイメージ で捉えられていると、入社後のギャップにつながることや、商品のイメージにとどまらず正しい企業理解を促すためにこのワークを作成いたしました。

  • 「消費者視点」ではななく「提供者目線へ」: 「シンプルで高品質な商品」への憧れか良品計画を知る方が多いですが、その商品を生み出す大前提として、現場である「店舗」が地域に深く根差し、生活の基本を担っているというところまで届ける必要がありました。

  • 店舗イメージの変革: 新卒の多くは、お客様の声を直接聞く店舗配属となります。店舗勤務が「商品の陳列やレジ業務など単純作業が中心」といったマイナスな先入観を持つ人が多い一方で、実際には「裁量をもって働ける」という正しい企業理解を促すためにこのワークを作成いたしました。

4. 立案ワークショップアイデアの理由

①身体を動かす「紙粘土」によるアイデアの自由化

単なる企画書やディスカッションではなく、最終アウトプットに紙粘土での造形を採用しました 。

これは教育工学的な視点に基づいて設計され、紙に書く作業は論理的な思考に限定されがちですが、粘土を触りながら、形にしながら考えることで、参加者はより直感的で自由なアイデアを湧き出しやすくなります。

これにより、「こんな店があったらいいのに」という店舗への愛着と自由な創造性を最大限に引き出しました。

②具体的な地域設定

店舗構想を抽象的な「どこかの街」ではなく、「長野県安曇野市」という具体的な地域に設定し、属性や特産品といった詳細な条件を提示しました。

これにより、「店舗がただの支店でなく、地域活性化や地域の課題を踏まえる必要がある」という切実な視点を醸成。

学生は、その地域で働く社員になりきり、「自分事」として深く課題を考え、店舗配属に対する責任感とやりがいを同時に感じられるように設計されています。

4. 最後に

今回の「店舗構想設計ワークショップ」は、従来の商品のイメージを大きく変え、地域や社会に貢献する良品計画の取り組みと裁量の大きさを同時に伝えることが出来ました。

これまでの学生との接点とは大きく異なり、地域発展に貢献したい想いを持つ学生へのアプロ―チに成功し、相互理解につながる機会となりました。